消費者団体訴訟制度を知りましょう!
今月7日に、消費者契約法の一部改正が行われました。
その主な内容は『消費者団体訴訟制度』の新規制定です。
この制度、消費者団体を中心に、実現へ向けて長年運動してきた念願の法律とも言えるでしょう。
でも、どんな制度なの? 消費者にとって何がいいの? という方が大半なのでは?
そこで簡単に要点だけまとめてご案内いたします。
1.泣き寝入りしないための差止請求が出来るようになる
従来ですと、多くの消費者(契約)被害の場合、
実際の被害金額も小額でであるのに対し、訴訟費用もかかり、また個人が裁判を起こすこと自体敷居が高い面がありました。
そうなると、『悔しいけれどしょうがない』の泣き寝入りも多く、結果として同じ被害が繰り返されることも多くありました。
また企業側にとっても、問題があった営業行為全体を会社として取りやめることはあまりなく、苦情を訴えてきた個人にだけ賠償対応すればあとはOK!みたいな部分もあります。
これを改善しようというのが、この『消費者団体訴訟制度』です。
例えば、
『大学の入学金を納めた後は、入学を辞退しても返金しません』といった契約条項。
これ、最近の判例では不当条項としての指摘もされています。
又、『IP電話を契約したんだけれど、これまでのNTTのサービスの一部が使えなくなるなんてことは聞いていなかった』といった不利益事実の不告知。
こうした
- 不当な契約条項=業者の賠償責任を免除する条項、消費者に対して過大な違約金を設定するような条項、信義側に反して消費者の利益を一方的に害する条項
- 不当な勧誘行為=不実告知・断定的な判断の提供、不利益事実の不告知、不退去や監禁
による被害にあった時に、
内閣府が認定した[適格消費者団体]が被害を受けた個人に代わって、
そうした不当行為を今後一切行わないように請求する=差止請求が出来るようになります。
そうなれば、費用や知識面で難しかった個人の小額被害についても、事業者に『そんなことやめろ!』と専門家がいる消費者団体が代わりに訴訟を起こすことが出来、会社の違法行為自体を止めさせる事が出来るようになります。
*現段階では、賠償請求までは団体訴権で認められていません。
2.情報共有化の推進
適格消費者団体間の被害情報の共有や、又行政との連携の強化も、今回の改正では織り込まれました。
例えば、北海道で起きた被害と同じ企業の同じトラブルが九州でも起きている、といった例の場合、
この情報を共有することで、より的確に訴訟の準備等を進めることが出来るようになります。
更に、実際訴訟を起こした場合は、その確定判決については、内閣総理大臣がその結果を公表することになりました。
こうした判例の蓄積が良い前例となり、どんどん問題となる事例の改善に役立つことが期待されます。
3.訴訟手続きの改善
とはいえ、では問題が発生して即訴訟を起こせるかとなると、それはあまりにも・・・ですね。
そこで、今回の改正では、適格消費者団体が訴訟を起こす場合、
事前に書面による差止請求を送付することが義務付けられました。
これは、『改善しなければ訴えます!』の告知文。
一週間の猶予期間の後、その効果がなければ、相手の承諾無しに提訴することが出来ます。
となると、普通は訴えられるよりは改善しますよね。
訴訟を起こす前に改善を促進する手段としてとても有効と思われます。
それから、訴訟を起こせる裁判所の管轄の問題。
普通の裁判ですと、その企業の本店所在地管轄の裁判所のみで提訴を受け付けます。
でも、全国展開の英会話教室の各地での被害とか、特に消費者被害は至る所で発生しています。
被害は四国なのに、裁判は本社の東京でしか起こせないとなったら大変。
そこで今回は、本店所在地・営業所所在地だけではなく、不当行為が行われた(被害があった)地区でも提訴できるようになります。
これは裁判での負担の軽減に大きく貢献しますね。
又、「移送」=複数地域で起きた同じ案件をどこかにまとめる、「併合」=複数起きている同じ管轄内の同じような案件をまとめて裁判できる、といった制度も取り入れられました。
実際の施行は来年2007年6月7日からです。
それまでにまだ細かい点の調整は必要であり、今年9月に予定されている内閣府令によってその点は示される予定です。
『被害金額も少ないし・・・』で泣き寝入りしていては、いくらいろんな対策が講じられていても消費者被害は増えるばかり。
こうした制度をまずは良く知ることが、被害に遭わない消費者になるための第一歩ですね!
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